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大地震。~東京にて~

2011年03月15日|山共の『地域の林業・製材加工!』

 3月11日(金)

 

東京・神田、トビムシ本社での月一勉強会。

 

午後2時から始まった参加者によるここ1ヶ月の報告が終わった頃、突然横揺れが始まりました。

 

それははじめとても優しい揺れだったと思います。

 

会場はもともと小学校だったところで、廃校した校舎を改造して使用しているため、僕達の使っている机も子供の学習机。

 

「机の下に隠れようか?」

 

なんて半ば冗談交じりに言っていたのですが、徐々に、徐々に揺れは大きくなっていきます。

 

そのうちにガラスが激しく鳴りはじめ、どこからか看板などが倒れる音が響いてきます。

 

「まずい!みんな机の下に入れ」

 

と今度は本気で隠れました。

 

感覚では1分以上は揺れていたのではないかと思います。

 

ようやく収まり、みな口々に、大きかったねぇ、だいぶ近いよ、など話していると、

 

「震源地は宮城県沖だって」

 

とパソコンを見ていた参加者が言いました。

 

東京でこの揺れということは、宮城県はどうなっているんだ?と思っていると、屋内の広報スピーカーが何かを伝えはじめ、施設の人から、

 

「外に避難してください!」

 

の指示が。

 

パニックにはならなかったものの、最小限の物だけを持ち、慌ただしく外に出ました。

 

 

 

もともと小学校だっただけに目の前は校庭をを改造した公園のようになっており、そこに施設内の人や近所の人が200人程度の人が集まっていました。

 

こんな時、ワンセグケータイが役に立ちます。

 

映し出された映像にはお台場が火事になっている模様が。

 

そして大津波警報。

 

宮城県では7Mの津波がすでに「到達」となっています。

 

戦慄しました・・・。

 

するとまたもや大きな揺れが。

 

目の前にある7階建てくらいのマンションが、まるで積み木のように揺れていたのが印象的でした。

 

それから1時間ほどが経ち、ようやく建物に入る許可がおり、もとの部屋に戻りましたが、もう勉強会どころではありません。

 

 

 

テレビがなかったため、USTREAMで映像を探していると、NHKの映像が流れています。

 

しかし公式なものではありません。

 

 

その映像を流していたのは、どうやら広島に住む中学生のようです。

 

テレビの映像をそのままウェブカメラで撮影したものです。

 

「テレビが映らない人に向けて流しています。やめるつもりはありません」

 

と配信者らしい声が聞こえてきました。

 

 

報道各社からの公式な映像というのはなかったように思います。

 

特にNHKは受信料で収入を得ているわけですから、無料配信をするわけはありませんが。

 

この中学生の行動はすごいなと思いました。

 

もちろん、厳密には著作権等に引っかかる恐れがあります。

 

しかし、「今、大切なことが何なのか」を判断して映像を配信している。

 

そのおかげで実際僕らも情報を得ることが出来ている。

 

カウンターには約4万人の視聴数がカウントされていました。

 

このような状況を想像し、実際に行動したこの中学生を僕は尊敬します。

 

そうこうしているうちに、どうやらNHKがその中学生の配信を許可したらしく、その後NHK自身が公式にUSTREAM配信を行い始めました。

 

 

 

日も暮れはじめ、コンビニに食べ物を探しに行きました。

 

出入り口の公衆電話には長蛇の列。

 

NTTは公衆電話を無料開放していました。

 

ケータイからの通話は一切できない状況となっていたのです。

 

追加物資が来ないため、コンビニ店内も弁当や総菜関係はなくなっており、若干のお菓子、乾物がある程度でした。

 

24時間営業のすき家やマクドナルドも「食材がなくなり」という張り紙を貼って閉店しています。

 

そして歩道は東京駅方面から郊外へ向かって歩く人の川となっていました。

 

 

1103151.JPG

空になったコンビニの棚 

 

 

 

外はまだまだ寒さが残っています。

 

電車は完全にストップし、バスも混乱しています。

 

いわゆる帰宅難民が溢れていました。

 

東京に不慣れで、泊まるところの目途が立っていない地方の人は大変だったでしょう。

 

トビムシ本社で過ごせたことはラッキーでした。

 

そしてこの建物自体も避難場所のようになり、ロビーには100人程度の人が入り、大画面で流される映像を見ながら、夜を過ごしていました。

 

僕自身も不安と緊張を気持ちの高まりの中、ひたすら入ってくる情報に目を向けていましたが、午前0時を回る頃、毛布に身をくるみ、床に寝ました。

 

 

1103152.JPG

真空パックされた非常用毛布 

 

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まあまあな大きさ、結構暖かいです。

 

 

 

この一連の出来事の中、様々な場面で人の温かさに触れました。

 

わざわざ自分の家から「使ってください」と見知らぬおばさんが歯ブラシを持ってきてくれたことをはじめ、みんなで物をシェアし合い、助け合いました。

 

施設の人は事前に訓練していたわけではないでしょうが、施設内の人数を確認し、交通情報などを黒板に書いていました。

 

地元消防団は詰め所で待機していました。

 

最後は人、なにしろ人、と改めて気づかされました。

 

このような大災害の下での日本人の行動は海外の人達には驚きと感銘をもたらしたようです。

 

以下、CNNが配信した文章を転記しておきます。

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(CNN) 略奪行為も、食料を奪い合う住民の姿もみられない。

震災下の日本で守られる規律は、地域社会への責任を何より重んじる文化のたまものか――。

東京に滞在している米コロンビア大学の日本研究者は、大地震への日本人の対応をこう評価した。


同大ドナルド・キーン日本文化センター所長のグレゴリー・フルーグフェルダー氏は会議のため
来日し、11日の地震発生時は東京の国会図書館内にいた。

「図書館は閉館を1時間半遅らせた。通常のスケジュールが変更されるのは非常に珍しいことで、災害の規模の大きさがうかがえた」と振り返る。

 

深夜になって地下鉄が運転を再開した時、きちんと列を作って待つ人々の姿に感銘を受けたという。

「普段から社会的秩序と規律が守られているため、日本人は習慣通りの行動を容易に続けられるのだろう」と、フルーグフェルダー氏は話す。

日本文化の根底にある共同体意識は、災害のストレス下で平時よりさらに強く働いているというのが、同氏の見方だ。

「looting(略奪)という行為は日本では発生しない。われわれがこの言葉から受けるのと同じ意味を持つ日本語の単語が存在するかどうかも疑わしい」という。

 


米ボストン大学で日本文化を研究する人類学者のメリー・ホワイト教授は、「米国社会で略奪が起きたり秩序が乱れたりするのはなぜかを考える必要がある」と話す。

同教授によれば、背景にあるのは社会的疎外や階級格差の問題。

「日本にも疎外や格差はある程度存在するが、暴力に訴えたり、他人の所有物を奪ったりすることは文化的にとにかく受け入れられないのだ」と、同教授は分析する。

 


フルーグフェルダー氏によれば、米国人は個人主義に基づいて行動する。

自分の利益を守るために全力を尽くし、他人も皆そうするという共通認識の下に、「見えざる手」ともいうべき秩序が生まれる。

「日本人の場合は違う。秩序は集団や地域社会から、個々の要求を均等化するものとして発生する」と、同氏は語る。

こうした傾向は大地震からの復興に役立つかとの問いに、同氏は「ひと言でいえば、そうだ」と答えた。

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誇り高き日本人。

 

必ずや復興させれるはずです!!

 

 

 

1103154.JPG

 被害を伝える翌朝の新聞