2011年06月24日|山共の『地域の林業・製材加工!』
先週と今週2回に分けて、森林文化アカデミーの学生さんが「材料学実習」の授業の一環で、山共に来てくれました。
「 産学官の連携」。
よく耳にする言葉ですが、なかなか簡単ではないですよね。
まずは連携を組む以前に、どうやってつながればいいのか。
もっと簡単に言えば、どうやって知り合えばいいのか。
零細企業が多いこの業界、その時点ですでに大きなハードルが立ちはだかっているのが現状です。
私共も同じ悩みを持ち、それゆえ「産学官の連携」という言葉は自分たちには無縁のものだと思ってました。
しかし今年に入って美濃市・森林文化アカデミーで2回のお話をさせていただく機会がありました。
特に2回目のアカデミー創立10周年記念パネルディスカッションでは、「今後のアカデミーに期待すること」として、もっと民間企業に入り込み、実際の産業に即した研究、またその研究結果を実社会に活かしていくための人材づくりなどを話しました。
その結果、その日のうちに富田先生から、
「今度学生を連れて工場見学に行ってもいいですか?」
という打診があり、今回があったのです。
学生の中には天然乾燥と人工乾燥のコスト比較を自分の研究課題にしている方もいました。
山共ではその両方をやっている事から、コストを算出するのに必要なデータをご提供することにしました。
学生さんにとってみれば、生の具体的な数字を得ることができるわけですし、我々としても自分ではなかなかできなかったコスト計算をしてもらえる。
研究結果を共有することで、お互いの研究、仕事に活かせ、それがまた次へとつながっていく事になるでしょう。
これが私たちなりの連携の第一歩です。
ちなみに巷で言う「産学官連携」は補助金を得るためのお題目としてとらえられてる部分もありますが、
私達の場合は、補助金なんて一切もらっておりません。
交流、意見交換、情報の共有を深めることで、お互いに補てんし合っているわけです。
このような交流にお金はいりません。
それが結果的にはより本質に近い連携だと思うのです。
だって、補助金がらみの連携は、年度が終われば、もしくは補助金がなくなれば終わってしまうパターンが多いわけですから。
しかし私たちの場合は、お互いが必要とする間はつながっていくことになるのでしょう。
学問、研究は実社会の発展のために。
そして実社会の中に学問、研究の種がある。
そんな連携の第一歩、大切にしたいです
前途のある学生諸君に光あれ!