私にとって山仕事とは、「ルールのあるなかで遊ぶこと」。山へ遊びに行ってる感覚だから、身体が痛い時でも、なぜか仕事に行ったら治る。だから辛いっていうのはないですね。そして、チームの皆がそう思ってくれるような職場にしていきたいと思っています。林業は職人仕事です。それと同時に私たちは、会社員でもあります。つまり、一人で出来る仕事じゃないから、チームとして働く。監督も、ピッチャーも、スコアラーもいます。それは、誰がエラいとかいうことではなくて、全員で現場をやっつけていくと楽しいなと、そんなチームプレイの感覚を大切にしています。

そうは言っても、林業を始めてみて、最初の頃は実際、あんまり面白くないと思いますよ。でも、どっかで来るんです、面白いところが。そこまで我慢できたら、林業の面白い世界が待っています。私は長らく、隣町で林業を続けていました。しかし林業人生の最後に、地元の山へ貢献したいと思って、この会社へ就職しました。山共の山林部が２名しかいなかった頃から、絶えず目指しているのは「安全と効率の両立」です。

（株）山共フォレストは、2017年に出来たばかりの新しい会社です。だからこそ、企業風土を自分達で作っていける面白さがあります。林業の伝統技術は先人からずっと繋がっているものなので、簡単に絶やせるものではありません。けれど、チームの風土は自分達で作られる。新しく来る人達にも「入ってよかったな」と思ってもらえるチームであれば、また次の人が集まってくる。そんな雰囲気を継続して作っていきたいと思っています。

私は若い頃、一度は林業の世界から飛び出したタイプです。20代前半に2年ほど親方について林業をやってみて、その頃は、職人の世界の親方がとても厳しかった。それで「こんな厳しい仕事、二度とやるか！」と（笑）、辞めてしまいました。その後、いくつか転職を繰り返しましたが、ある機会に誘いを受けてまた林業を始めてみたら、「あれ？意外と面白いな～」となって、続いています。

日々の暮らしでいえば、夕方には仕事が終わって、家に帰って晩酌して寝ます。週末は、春夏は釣りに出掛けます。この辺りの川なら、鮎やアマゴが釣れますね。あと、たまには家族サービスもしとかんと（笑）